あらすじ

五十五歳で慢性腎不全を宣告された植村秀行は、人工透析の日々を経て、妻・良子から腎臓の提供を受ける。手術から五年、命を救ってくれた妻への感謝を胸に抱えながら、秀行は再び愛車のバイクにまたがり、北海道を走り始める。 退職した良子をタンデムシートに乗せ、二人は北海道へ向かう。釧路湿原で出会ったかつてのバイク仲間・寺尾や、旅先で出会った若い夫婦との交流を重ねるうち、良子も自らバイクを運転したいと思うようになる。危険を案じて反対する秀行だったが、寺尾に背中を押され、良子はスーパーカブで初めて北海道の道を走る。 翌年、良子は自分のバイクで北海道へ戻る。かつてタンデムシートで秀行の背中を見ていた妻が、今度は自分の前を走っている。その姿を追いながら秀行は、腎臓をもらえたこと以上に、良子と出会い、人生を共に歩んできたことこそが最大の幸せだったと気づく。 風、エンジン音、果てしない一本道。バイクで結ばれた人々との出会いと別れを重ねながら、二人は北海道を走り続ける。そして最後に辿り着いた開陽台で、二人は言葉にならない感謝を交わす。

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小説を読もう2026/09/08
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