あらすじ
2年前、世界各地に「異常空間(ダンジョン)」が出現した。
内部のモンスターを倒すことで得られるドロップ品には、希少金属(レアメタル)が含まれていた。国家はダンジョンを資源として管理し、国有財産化。探索者制度を整備し、許可を受けた者だけが探索を行う社会になった。
しかし、ダンジョン探索には重大な問題があった。
事故が多発しているのに、ダンジョン内部の情報は外部へ持ち出せない。
映像配信は不可能。外部との通信も制限される。
成功した探索者の華やかな話だけが広まり、危険性や失敗例は正しく共有されない。
「ダンジョンで一攫千金」そんな夢を見て、危険を知らない新人探索者が無謀な探索を繰り返す。
事態を重く見た異常空間対策庁は、新たに「事故調査局」を設立する。
集められたのは、各分野の専門家たち。労働安全、科学捜査、情報管理、法制度。
彼らの仕事はダンジョンを攻略することではない。
なぜ事故が起きたのかを調べ、二度と同じ事故を起こさない仕組みを作ること。
安堂保は、今日も安全確認を繰り返す。
「安全配慮義務があります」
「休憩を取らなければ判断力が落ちます」
周囲からついたあだ名は――
「安全くん」
だが現場は安全よりも効率を重視する。
探索を続けたい探索者と、安全確認を求める事故調査局
資源確保を急ぐ行政と、リスク管理を求める安堂
自己責任を重視する社会と、制度改善を目指す安堂
事故は、繰り返される。だから彼らは記録し続ける。
一件でも多くの命を守るため、彼らは今日も事故現場へ向かう。
事故は防げる。その証拠を積み重ねるために。
【登場人物】
◆ 安堂 保(あんどう たもつ)28
あだ名:安全くん
担当:安全管理
最終目標:探索者試験に労働安全項目を導入すること
恋人に振られた直後、新部署へ異動。
本人はダンジョンに興味があるわけではない。
「危険な仕事なら、安全に行える仕組みが必要」と考えている。
埴輪好き。
◆ 菅野 環(かんの たまき)35
あだ名:鑑識さん、かんかん
担当:証拠・現場分析
冷静な観察担当。
「何が起きたか」を証拠から組み立てる。
二児の母。犬を飼っている。
◆ 記崎 真琴(きざと まこと)26
あだ名:記録さん
担当:記録・資料管理
ダンジョン内情報が持ち出せない世界で、「何を、どう残すか」を担当する。
書道をたしなむ。
◆ 御影 律郎(みかげ りつろう)
局長
あだ名:律令さん
担当:制度・法対応
事故を「個人の失敗」で終わらせず、社会制度へ反映させる役。
長毛の猫を飼っているが、触らせてもらえない。
◆ 探索者チーム(護衛)
大手探索会社、フロニクス・ジオシステム所属。
事故調査局の現地調査には護衛として同行。
◆ 神代 麗花(かみしろ れいか)32
コードネーム:レイ
チームリーダー。
冷静で経験豊富。
探索者として高い判断力を持つ。
事故ゼロこそプロ。
「帰還率100%が誇り」
武器:槍
◆ 鳳条 朱音(ほうじょう あかね)27
コードネーム:ジョウ
お嬢様育ちの銃器マニア。古い銃の美術的価値に惹かれている。
銃を使うために探索者となった変わり者。
危険を恐れず、装備へのこだわりは人一倍強い。
「危険だから報酬が高いんでしょ?」
武器:銃
◆ 天野 空(あまの そら)25
コードネーム:テン
男性。見た目でよく女性に間違われる。軽い雰囲気だが、探索能力は高い。
事故は運。占いをチェックしている。
「結局、運が悪い人が死ぬだけ」
武器:短剣、ワイヤー
【世界観】
◆ ダンジョン
正式名称:異常空間
2年前、世界各地に出現。
特徴:
・内部にはモンスターが存在する
・モンスター撃破でドロップ品が得られる
・ドロップ品にはレアメタルなど資源価値の高い物質がある
・国家が管理する国有財産
・探索は許可制
・外部との情報通信は制限あり
情報制限:
・映像データの持ち出し不可
・通常の電波通信不可
・非常用無線の一部帯域のみ使用可能
・紙など、人間が書いた記録は持ち出し可能
・ダンジョン内部ではドローン調査が可能
・外部には断片的な情報のみ拡散
【行政組織】
◆異常空間対策庁
ダンジョン発生後に設立された中央官庁。
役割:
・ダンジョン管理
・探索者認定
・資源利用
・安全対策
◆事故調査局
異常空間対策庁内に新設された部署。
目的:
・ダンジョン事故の原因調査
・再発防止策の提案
・探索者制度の改善
所属職員は各分野から集められた専門家。