あらすじ
天明七年、北信濃。
農家の長男・弥太郎は、俳諧師になることを夢見ていた。
しかし父の勧めで江戸へ奉公に出ることになり、夢を胸に秘めたまま商家で働き始める。
奉公先で主人の息子・清太郎に騙され、厳しい折檻を受けた弥太郎は、浦賀の廻船問屋へ売られることになる。
浦賀で働く弥太郎は、同じく奉公に出ている少女・お寿々と出会う。
二人は互いに支え合い、いつか一緒に逃げようと約束する。
やがて弥太郎は、寺の住職・良源の紹介で俳諧師・夏目成美(なつめ せいび)と出会う。
成美から俳諧師として生きる道を示された弥太郎は、お寿々とともに浦賀を離れることを決意する。
しかし逃亡の途中、お寿々が病に倒れる。
彼女を失った弥太郎は自ら死のうとするが、良源と成美に諭される。
弥太郎は、お寿々との約束を胸に俳諧師になることを決意する。
24年後、俳諧師となった弥太郎は、浦賀の専福寺を訪れる。そこで一匹の痩せた蛙を見た彼の口から、一句が生まれる。
「やせがえる まけるな一茶 これにあり」
その少年は、俳諧師・小林一茶となった。