あらすじ

あらすじ 「その大豆の種? 処分したよ。棚を空ける必要があったのでね」 二年かけて選抜した在来種の畝を、企業の共同研究のために重機で潰された。 採っておいた種まで、ゴミとして捨てられた。 鬼神龍魔呂、二十歳。農林大学二年、無期停学。 昼は誰よりも土に真面目な農学徒。 夜は東京の裏道で恐れられる暴走族『鬼龍爆速愚連隊』の総長。 教授を一発だけ殴って大学を追われた帰り道、愛用のオイルライターが火を吹かなかった。 代わりに咲いたのは、青白い魔法陣だった。 落ちた先は、コタツでビールを飲む駄女神の部屋。 「特別にチートスキルをあげる。絶対防御なんてどう?」 「いらねぇ。神にもらった力で勝って、何が俺の喧嘩だ」 押し付けられたのは【農具箱】。 クワ、スコップ、ジョウロ、種籾、ハサミ。それだけ。 攻撃力の補正はゼロ。魔法も使えない。 効果はたった一つ、絶対に折れない。 ――折れねぇなら、振り回していいってことだよな。 流れ着いたのは、三大国の緩衝地帯にある辺境『ポポロ村』。 愛が重すぎる月兎の村長キャルル。金の話しかしない猫耳商人ニャングル。他人のカードで生きる見習い女神リリス。 畑を耕し、鍬で盗賊を叩き伏せ、腹を空かせた奴には飯を食わせる。 だが村に現れたのは、書類一枚で子供を連れていく代官だった。 殴っても、制度は明日も動く。 「……お前ら、腹減ってんだろ。座れ」 彼が拳を握るのは、いつも誰かが飢えている時だ。 その理由を、彼はまだ、誰にも話していない。 これは、神のチートを蹴った男が、折れない鍬一本と熱い一杯の飯で、村ひとつを飢えから守り抜くまでの物語。

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小説を読もう2026/09/08
  • 現在の作品『教授を殴って停学になった農大ヤンキー、異世界で畑を耕したら三カ国の兵隊が飯目当てで戦争をやめた』