あらすじ
20年以上勤めた会社で充実期を迎えていた30代超の主人公・鷺森は、健康診断をきっかけに難病「筋ジストロフィー」と診断される。身体機能が徐々に奪われ、会社の冷遇や進行する病に抗いながら退職するも、最期は人工呼吸器を前に「さあ本番!」と叫んで現世を去った。
冥界へ下りた鷺森は、死神(犬の姿をした先祖「インヌ」)と出会う。現世で自分を苦しめた筋ジストロフィーの根絶を誓った鷺森は、悪知恵と強い思念を武器に、名刀吉行や念能力を具現化して冥界を進む。閻魔大王との対峙を経て、罪人として捕らわれていた父を倒して決意を示すと、合併症たる病魔たちとの死闘へ臨む。
元置物の明神や杖のアカメ、白内障の少女ハクらを仲間に加え、副鼻腔炎、白内障、不整脈、そして強敵・糖尿病を次々と破っていく鷺森。しかし激闘のなかで彼は、単なる武力による討伐ではなく「戦うことの真理」を模索し始める。最果ての地に潜む巨大な病魔・筋ジストロフィーとの最終決戦において、鷺森は不要となった不自由な身体を切り離し、半透明の煙のような姿へと至る。
憎悪や執着、殺意を捨て去った「空(くう)のマインド」を悟った鷺森は、否定も肯定もせず自らの存在を主張する筋ジストロフィーを静かに受け入れ、執着から解放して消滅(救済)させる。さらに、慈悲を装い威厳を振りかざす管理者・普賢菩薩や如来をもその悟りの境地で正し、天界の改革へと乗り出す。
閻魔のもとへ戻り「鬼殺し10億回」の判決を受けるも、空のマインドで鬼たちをも救済した鷺森は、形骸化した天界の支配と権威に疑問を抱く。仲間たちを再び呼び寄せた彼は、真理をさらに深掘りし、さらなる救済を果たすため、宇宙の真理たる天界への新たな戦いへと足を踏み出すのだった