あらすじ
時は明治ーー華族令嬢・藤里綾乃は長年家族から使用人同然の扱いを受けていた。
理由は、綾乃の〝男癖にまつわる噂〟によって藤里家が貶められたこと。
償いのため、虐げられようとも必死に家族を養い世話して来た綾乃だったが、ある日家族と決別する。
きっかけは偶然出会ったエリート年下青年・有馬千景に、政略結婚で娶られたこと。
千景は実業家の跡取りのおぼっちゃま。
飛び級で大学を卒業し、若くして新規事業まで成功させている。
さらに顔までいい。
だが、彼もまた綾乃を翻弄する人物だった。
新婚初夜では
「お前、自分のこと俺が抱きたい女だと思ってるわけ?」
と、くっっそ高飛車な態度だし、
「仕事にしか興味がない」だの
「藤里綾乃という人物が一番都合が良さそうだったから縁談を進めた」だの、
めちゃくちゃ尖っている。
ただ、それでも綾乃が彼を放って置けないのには理由があった。
本気で仕事に打ち込んでいること。
相手を対等に見ていること。
それからーー。
普段は生意気なくせに、ふと見せる年相応な一瞬がめちゃくちゃ可愛い。
時々〝お姉さん〟になってしまう綾乃と、時々〝可愛い年下〟になってしまう千景はしだいにお互いを信頼し合うようになる。
そして千景は、「綾乃の醜聞は真実なのか?」「意図的に流されたものなのではないのか?」と、綾乃の過去にまで興味を持ち始める。
妻のことなど、どうでも良かったはずなのにーー。