あらすじ
メガロポリスの夜空に浮かぶ月は、本当にただの冷たい石なのか――?
一夜にして三百万人を超える市民が昏睡状態に陥る未曾有の現実認識災害が発生。捜査に乗り出した視座庁の観測官・百目鬼燈は、摩天楼のテラスで軌道エンジニアの涅律郎から驚くべき真実を告げられる。月の明滅遅延、深海始原細菌の共鳴、そして大気と真空を隔絶する「超音速渦の窓」を介して地上へ垂れ流された謎の結晶。
そこへ、結晶破壊を狙う電脳忍者・鶸田志乃が強襲する。
市民の認識を守る捜査官、暗号網を守る暗殺者、そして人類の完全なる救済を嘯く設計士。
三者の思惑が交錯する中、地下百二十メートルの封鎖遺構を舞台に、虚構の満月を巡るハイ・スピード・サイバーアクションが幕を開ける。