あらすじ
世界で何番目かのフルダイブ型VR・MMORPG〈エレメンタル・ロード・オンライン〉。
だがそのサービス開始初日。期待に胸を膨らませた五千人弱のプレイヤーたちを待ち受けていたのは開発者による狂気の宣告。
これよりログアウト不可、ゲーム内で命を落とせば現実でも死を迎えることになる――――すなわちデスゲームを開始すると。
「でもこれエロゲーなんで、私たちすでに社会的に死亡なんですけど!?」
「うるさい! いろいろあるんだよ!」
そう、開発者にとって誤算だったのは費用がかさんでアダルトメーカーに資金援助を受けた為にR18版になってしまっていたこと。
そして最大の誤算。それは囚われた哀れなプレイヤーの中に実況配信中のアイドル――――星河サキがいたことであった。
彼女は同じくダイブしていた弟と共に動きだす。現実との通信経路から得られる情報とリスナーから投げコインされた資金を武器に、仲間を募りゲーム世界と現実世界を跨ぐ強大な攻略組織を築き上げていく。
全てはこのデスゲームをクリアし、生還するために。そして自身のドームライブの野望を果たすために!
【企画書】
フルダイブ型VRRPGでデスゲームに巻き込まれるという、もはや世界中に説明のいらないこのジャンル。
これに本作の独自性として加えたものは大きく二点です。
① アイドルがグループのトップ、最大派閥、外部との連絡手段による情報力、資金力――――といった従来のデスゲームもので敵側、ライバル側が持つ属性を主人公に持たせています。
これによりデスゲームでありながら悲壮感とは無縁の物語となります。開発者の仕込んだ罠や試練の数々を組織の人員数と資金力とで笑いながら蹂躙する爽快感も提供できるでしょう。組織は意図的に会社やプロジェクトチームとして描きますので、読者の親和性が高いことが見込めます。
②配信によって世界中がデスゲームの模様を目撃する状況で、彼女たちの活躍にはコロシアムの闘士のような興行的な視線が向けられることになります。特にゲームがR18作品であることも拍車をかけます。これを露悪的に感じさせぬよう、この状況が主人公の助けとなる構成にしています。
主人公はアイドルという、常に好奇の目で見られ選別される中を生き抜いてきた猛者。配信されているからこそ、この環境に誰より早く適応します。自らの活躍で絶望にあえぐプレイヤーを勇気づけ、自身の信者として取り込み、外部の観客を魅了。振る舞われた投げコインでもって高額な課金アイテムを湯水のごとく投入。
アイドルとしての行動が攻略に直結します。
ライブやデビューを報酬とした「アイドルのサバイバル企画番組」として見ることもできるでしょう。
つまり本作は、命懸けの状況をアイドルのサバイバル企画に変換してしまう、安心して観られるデスゲームものです。
補足すると、星河サキの弟は身体能力と身につけたチート技術で攻略の最前線を担う準主人公として位置づけています。男性キャラに自身を仮託したい読者にも対応できます。
弱点として登場人物が多くなってしまいますが、絵による識別性の高さを備えた漫画という媒体であれば、この賑やかさをむしろ魅力に転換していただけるのではないかと考えております。
※本作は同名の小説版をシナリオ版として再構成したものです。