あらすじ

妹・玲奈が事故で亡くなってから、三年。
兄の神楽坂透は、彼女が遺した一枚のメモを見つける。

『四階には行かないで』

そこに記されていたのは、山奥に建つ古びたホテル――「ホテル・アルカディア」の名前だった。

地上三階建て。 当然、四階など存在しない。
しかし、玲奈の死の真相を追うためホテルを訪れた透を待っていたのは、奇妙な支配人と、説明のつかない違和感だった。

「このホテルに、四階なんてないですよね?」

そう尋ねた瞬間、支配人の表情が変わった。

そして深夜0時。
誰もいないはずのエレベーターに、昼間には存在しなかったボタンが現れる。

――「4」

扉の先に広がっていたのは、長い廊下と、いくつもの客室。
その部屋に掲げられていたのは、部屋番号でも宿泊客の名前でもなかった。
透が見つけた一つの名前。

それは、三年前に死んだ妹――

「神谷玲奈」

なぜ死んだ妹の名前が、このホテルにあるのか。
なぜ玲奈は「四階には行くな」と残したのか。
そして、透自身が忘れてしまった過去とは何なのか。

謎を追うほど、少しずつ崩れていく記憶。
存在しないはずの四階。
忘れられた人々。

そして、ホテルに隠された20年前の事件。

――もし、忘れていたのではなく。

「忘れさせられていた」のだとしたら?

これは、死者を探す物語ではない。

忘れられた者を、もう一度見つける物語。

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アルファポリス
アルファポリス2026/09/07
  • 現在の作品『四階には誰もいない』