あらすじ

※本作はカドコミ漫画原作コンテスト応募作のため、セリフとト書きで構成された漫画原作脚本形式です。 ■ あらすじ 第四十九箱庭。空の果てまで伸びる巨大な硝子の壁で四方を仕切られた、閉じた世界。 壁は矢も牙も音も通さず、傷ひとつつかない。人は壁を疎み、時には利用し、湧き出る魔物を狩りながら生きている。 神殿の石板には、この箱庭のルールが刻まれている――「箱庭の全ての魔物が滅びた時、その地に生きる者は癒され、最も巣の少ない隣の地との硝子が一枚砕けて一つになる」。だが今は、石板の前で足を止める者はいない。壁の向こうを見る者もいない。 「見えるものを見ない」のが、この箱庭の大人の作法だ。 そんな箱庭の中で、たったひとり「本気で硝子を割る」と言い張る少年がいた。硝子の壁の向こう側に、幼い頃から心を通わせてきた少女がいるからだ。 ■ 登場人物 【カイノス】男・16歳・主人公/若手パーティーのリーダー 日に焼けた肌に茶色の短髪、まっすぐな琥珀色の目をした、中背だが筋肉質な元農家の少年。 得物は、手頃な棒にホーンラビットの角を括りつけた手作りの短槍一本。その槍で畑を荒らす害獣を狩り続け、町の自警団の稽古に混じって鍛錬し、誰も本気にしない「硝子割り」の日をひとりだけ本気で準備してきた。 パーティーメンバーからリーダーと認められたのは、目的への歩みを止めなかったから。 笑われても「そうか。でもオレは割る」――それだけ言って、また壁の向こうを見つめる。 【イロナ】女・16歳・ヒロイン/【イロナ(小)】その分身の妖精 水色の髪を高いポニーテールに結んだ、緑の目のよく動く小柄な少女。 子どもっぽいくらい元気に跳ね回るのに、体つきは年頃らしく女性的で、その不釣り合いなところがどこか愛嬌になっている。硝子の壁の向こう側の世界に住む、カイノスの世界を隔てたお隣さん。明るく快活だが、執着心が強い一面も見せる。 声も届かない壁越しに、幼い頃から身振り手振りだけで『会話』を重ねてきた。やがて自分の分身を壁の向こうへ送り出すようになったが、その分身にも声はない――それでも十年、身振りと表情だけで通じ合ってきた。 「だからカイノス相手なら、言葉がなくても分かるんだよ」そう言う彼女は、自分にできることを探し続ける。 イロナ(小)――イロナの想いが生んだ、掌に乗るサイズの分身。妖精ほどの大きさだが羽はなく、空中に漂うクラゲのような動きを見せる。姿は本人そっくりの縮小版。声を出すことはできないが、イロナ譲りの身振りと、複数の色の発光とで感情を伝える。旅に出るカイノスに寄り添い、壁の向こうの彼女の目となる。分身中は本体の意識レベルが低下し、ぼんやりする。カイノスは本体と同じく、この分身も「イロナ」と呼ぶ。 【ハルド】男・19歳・壁役 頭一つ高い長身に、引き締まった体。長い黒髪を首の後ろで低く束ねたパーティーの壁役。 顔は整っていて黙っていれば優男で通る――が、中身は重厚長大信仰のロマン馬鹿。 大盾と全身鎧で全てを受け止め、重メイスやポールウェポンで全てを粉砕する――が目標ではあるが、現在の装備は大盾と丸太の棍棒のみ。 口を開けば乱暴だが、彼を動かす物差しは損得でも正義でもなく「格好いいか、ダサいか」だけ。 「全部受け止めて跳ね返すのが最高に格好いいんだろうが!」戦いではいつも一番前に立って、仲間へ向かう牙をまとめて自分の体で受け止める。 【ジスラン】男・15歳・弓手 緑の癖毛にバンダナ、はしばみ色の目をしたひょろりと身軽なパーティー最年少のムードメーカー。壁際の村の猟師の次男で、弓は父の仕込み。 年上ぞろいの中で物怖じしないお調子者だが目端が利く。合同の害獣狩りでカイノスの突出した腕を見て「リーダー」と祭り上げ、パーティーにちゃっかり加入した。 武器は短弓。早射ちが得意で手数なら誰にも負けないが、「一撃の軽さ」が密かな引け目。 「ごめんねぇ、弱くて。もうちょっとで介錯するから待っててね」命を刈り取ることに関しては仲間の中でも最も手慣れており、時に冷徹な顔も覗かせる。 【ミレーニャ】女・19歳・魔法使い/唯一の識字者 金色の長い髪に、青みがかった灰色の狐目、女性としては長身で細身。 手にした細い杖で魔法陣を描き、灼熱の爆炎で焼き払う、数少ない魔法の使い手。 パーティー唯一の識字者・勘定役。運動神経は壊滅的で、間合いを詰められるとからきし――守られてこその後衛、と本人は言う。 「こんな割に合わない依頼って無いわ」そう言いながらも情に流され、いつもパーティーの資金繰りに苦しんでいる。

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カクヨム
カクヨム2026/09/07
  • 現在の作品箱庭世界の硝子を割って【カドコミ漫画原作コンテスト脚本形式】