あらすじ
戦争は、終わらなかった。
勝者のないまま停戦へと至った大戦。
その戦場には、歴史に名を残すことなく消えていった多くのエースがいた。
彼らは英雄でも、偉人でもない。
死者、裏切り者、犯罪者、敗者。
それでもいつしか、人々は彼らをひとまとめにこう呼ぶようになった。
――『灰被り』。
戦災孤児の少女は、傭兵たちの集う酒場で、そんな灰被りのお伽噺を聞いて育った。
そしてある日、自分の親もまた「灰被りだったらしい」と聞かされる。
真偽さえ分からない、その一言。
少女は一人の記者について、戦場を巡る旅へ出る。
残された記録を拾い、証言を聞き、朽ちた戦場を歩きながら。
これは、勝者なき戦争に埋もれた者たちを追う調査記録。
そしていつか、一人の少女がお伽噺になるまでの物語。