あらすじ

治安が悪く、地元では「日が暮れたら入るな」と言われている暮戸町。 そんな町の真ん中にある銭湯「もとの湯」で、祖父の源造と暮らす小学生・湯本愛梨。両親はすでに亡くなっているが、愛梨は「寂しさなんか全然ない」と言い張っている。 ある日、愛梨は浴室で、汚いモップのようなもじゃもじゃした生き物を見つける。 その生き物は、亡くなった夫を待ち続ける老婆や、自分を汚いと思い身体を洗い続ける女性、過去の事故を許せずにいる男など、もとの湯にやってくる人たちが心の中に抱えている言葉を口にする。 そしてある日、もじゃもじゃは愛梨に向かって「さみしい」と言う。 「寂しさなんか全然ない」と否定する愛梨だったが、銭湯にやってくる人たちと関わる中で、自分もまた、押さえ込んでいる自分の声に耳を傾け始める。 そんな中、もじゃもじゃが愛梨の母親の声で「ごめんね」と話し始める。 祖父がずっと隠していた両親の死と、母親が残した言葉を知った愛梨が放った言葉とは。 寂しいことも、汚いことも、許せないことも、風呂に入ったからといって全部なくなるわけじゃない。 それでも、いろんな人が同じ湯につかって、少しあったまって、また帰っていく。 これは、暮戸町の小さな銭湯「もとの湯」に集まる人々と、愛梨の物語。

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カクヨム
カクヨム2026/09/07
  • 現在の作品湯のもとに人はみな