あらすじ
あらすじ
七彩(イリゼ)―かつての理想郷。
種族間の壁は無く、自由と平和を皆が平等に享受していた。
だが、悪しき人間の謀により。
魔界の門は開かれ、手引きされた悪魔たちが一斉に地上に這い出てきた。
瞬く間に世界は侵略され分断されてしまう。
一方で悪魔たちも一枚岩では無く派閥勢力が生まれ勢力争いが絶えず、混沌とした世だった。
その隙を衝いて悪魔に対抗すべく、イリゼの番人と守護神、そして女神は。
勇者を創造し、特別な人間を創り出そうと試みる。
精霊王、妖精王、エルフの女王、天使長、ドワーフ王、幻獣王、竜人王、鬼人王、そして女神の血と魂の欠片をそれぞれ合わせた完全なる力の結晶血を創り出す。
それが【勇者の血】と呼ばれるもの。
だがその行いは当然、犠牲が伴い受血出来る対象の子供たちの多くは亡くなってしまう。
禁忌と呼ばれて計画は頓挫しそうになるが、1000人目の子で奇跡が起きる。
それが始まりの勇者と呼ばれる、カナタの父だ。
勇者の最大の力は、個人の能力が高いだけでは無く。
相棒となる、幻獣王とフレンド契約を結べて絆リンクを展開でき七彩(イリゼ)のグリモワール経由で12本の聖剣を自在に操り、勇者の魔法も扱えるようになる。
唯一無二、五大派閥と呼ばれる悪魔の軍勢の棟梁を討ち倒せる力を持つ。
だが、悲劇は起きる。
その始まりの勇者は懇意にしていた友人でもある領主に裏切られ、秘匿の妻である聖女も人質に取られてしまう。(カナタは母が聖女として生きている事を知らない)
無念にも抵抗出来ずに。
カナタが7歳の時に目の前で殺されてしまう。
幻獣王・リュクスは相棒を守れず、暴走の果てに本来の姿であるグリモワールに戻り
12聖剣と共に影の世界へと封印される。
5年後ーー隠者の森で育ったカナタは稽古嫌いの少年に育っていた。
「鍛えて強くなっても父は帰らない」
そんな彼の日常に、希望の光が指すように村の少女・花蓮との出逢う。
彼の心に一輪の花が咲くように少しづつ温もりが戻りつつあったが。
非情にも、ささやかな幸せは長くは続かなかった。
父を殺した大悪魔バルゴット一味が、勇者の血の匂いに気づき。
または、誘われて花蓮の住む村まで来てしまったのだ。
悪魔たちは村を破壊し、花蓮も行方知れずに。
そして、助けに来てくれた育ての親であり師匠でもある老師の命さえも奪う。
絶望の淵でカナタは影の世界に封印された、かつての父の相棒であり。
幼少期に良く遊んでくれたリュクスを命がけで解放する。
「僕たちは友達だよ、怖がらないで」ーー痛みの中で紡がれた、その一言が2人の絆を結び付ける。
2人は共に歩んでいく、力を得たカナタは老師と父の想いを胸に、仇敵バルゴットへと立ち向かいみごとに討伐する。
小高い丘に老師を埋葬して弔う。
カナタとリュクスは墓前に誓う。
ーー「この刀に誓って、僕は強くなる」と。
リュクスに導かれるように花蓮を探す旅へと踏み出す。
そして、村を襲われ逃げ惑っていた花蓮は、五大派閥の一角・獣魔族を率いる牙の王に絶望の淵で紡いだ唄と、死を前にしてなお諦めない気概に心を動かされ命を拾われる。
悪魔の軍勢の中で唯一人間として数奇な運命を歩みだす。
勇者の血を受け継ぐ少年と勇猛果敢な少女が織りなす、絆をテーマにした一大叙事詩。
やがて、この2人の主人公が七彩(イリゼ)の世界を動かしていく。
登場人物紹介
カナタ 12歳
始まりの勇者シオンの息子。創生された【勇者の血】の持ち主。
本人には知らされてないが、聖女を母に持つ。
7歳で父の処刑を目撃し、以来「鍛えても父は帰らない」と稽古嫌いになる。
しかし花蓮と運命の出会いを経て、村を守れなかった悔恨と、
育ててくれた老師の死をきっかけに覚醒。
まっすぐで不器用、時に激情に吞まれながらも、大切な人を守る為なら迷わず前へ出る少年。
一人称は「僕」(15歳からは「俺」へ変化予定)
リュクス
七彩(イリゼ)のグリモワール、【幻獣王】そして神刀・神獅子ーー(三位一体)三つの姿を持つ。
この七彩(イリゼ)の世界の守護神。
かつて始まりの勇者シオンの相棒として共に戦ったが、友を守れなかった絶望から闇落ちして大悪魔の大魔呪言で魔獣化しかけ影の世界に封印される。
カナタとの再会時は記憶を失いかけているが、「懐かしい匂い」をきっかけに絆を取り戻す。
現在は幼体の姿だが、力を完全に取り戻せば完全なる真の【幻獣王】の姿に変貌を遂げる可能性を秘めている。
花蓮 14歳
隠者の森の麓にある村で暮らしていた、気概に溢れる少女。
カナタより2歳年上で、面倒見のいい「お姉さん」気質。
母を悪魔に殺され、村を襲われた末に行方不明となるが、
絶体絶命の窮地を獣魔族の長・牙の王に救われる。
母親から教わった唄が好きで悪魔の心すら和らげ動かす力を持つ。(本人は自覚してない)
この物語のもう一人の主人公。
老師タオ【刀神】
かつて始まりの勇者シオンに剣の道と神獅子を授けた刀神(二つ名/称号)
かつてのイリゼの番人の一人であり、勇者シオンの仲間12使徒(勇者の12使徒)
たちの剣の師でもある。
シオンの死後、孤児となったカナタを引き取り、5年間隠者の森で育てる。
飄々とした物言いの裏に深い後悔と愛情を抱え、村襲撃の際にはカナタを庇って命を落とす。
最後の願いは「護れる強さを持て」ーーその想いはカナタの覚醒のトリガーとなる。
穢れのバルゴット
悪魔の軍勢・五大派閥のいずれにも属さない独立勢力の首魁。
同胞の悪魔すら喰らう「悪食」と忌み嫌われながらも、勇者殺しの実績ゆえに力が絶対主義の悪魔の世界では一目置かれる存在に。
神経毒を操り、鋼鉄の鱗を持つ大悪魔クラスで、カナタの父を処刑した張本人であり、7歳の時と12歳の時、二度カナタの前に立ちはだかる。
牙の王
悪魔の軍勢・五大派閥の一角、獣魔族を率いる棟梁。
北陵の覇者として夜叉砦に君臨する。
人食を断ち、人間との共存共栄を掲げる異色の指導者で、瀕死の花蓮を救う。
その気概と唄に惹かれて客人として迎え入れる。
花蓮にとって、悪魔社会での新たな生き方を示す存在となる。