あらすじ
神格鑑定局に入局して一年。
初代局長・弐ノ関龍治のひ孫である亮太は、その血筋ゆえに過保護に扱われ、いまだ一度も現場に出たことがなかった。
そんなある日、Webメディア『スパナ日報』の記者・真岸翔生が、一通の怪文書を持ち込んでくる。
『紅の不死鳥はインチキだ。真実を暴いてほしい』
御嶽の山中に存在する宗教団体『紅の不死鳥』。
教祖・正栄は、傷を瞬時に治し、病人さえ救うという。
かねてより御嶽に残る「神の伝説」を追っていた先輩鑑定員・松倉孝之は、この事件の調査を決断。
念願の初仕事を任された亮太も、松倉、真岸とともに御嶽へ向かう。
そこで三人が目撃したのは、確かに存在する「奇跡」だった。
しかし――異能を嗅ぎ分ける真岸の鼻は、正栄に何の反応も示さない。
奇跡は本物。神は偽物。
では、この力は一体どこから来たのか?
偽物の神を追った先で三人が辿り着く、御嶽に隠された一人の少女の記憶。
神とは何か。
人が神を鑑定するとは、どういうことなのか。
新人神格鑑定員・弐ノ関亮太、最初の事件。
【登場人物】
◆弐ノ関亮太
神格鑑定局の新人鑑定員。
初代局長・弐ノ関龍治のひ孫という血筋のせいで周囲から過保護に扱われ、入局一年にして現場経験ゼロ。お茶汲みばかりの日々から、ついに念願の初仕事へ!
◆松倉孝之
亮太の先輩にあたる神格鑑定員。
無口で感情表現が苦手なため誤解されがちだが、亮太のことは何かと気にかけている。
異能は「転送」。自分以外の人や物を、イメージした場所へ瞬時に送り届けることができる。
◆真岸翔生
Webメディア『スパナ日報』の記者。
異能や神格が近くにいると、くしゃみや鼻水が止まらなくなる「異能アレルギー」の持ち主。
一通の怪文書を手に神格鑑定局を訪れ、亮太たちとともに事件を追う。
◆正栄
宗教団体『紅の不死鳥』の教祖。
驚異的な治癒能力を持ち、信者からは「神の子」と崇められている。
しかし、その奇跡を目の当たりにしても真岸の鼻は反応せず――。
◆針ヶ谷博士
医学と神格を研究する天才研究者。
触れたものを「鑑定」する異能を持ち、コンピューターに触れれば膨大な情報を高速で検索できる。
研究への情熱は本物だが、危険な現場へ行く気はあまりない。
◆弐ノ関龍治
神格鑑定局を創設した初代局長にして、亮太の曾祖父。
長い年月を生き、今や人と神の狭間にいるとも言われる存在。