あらすじ
伯爵家に引き取られたドリタは、令嬢ブリンディスの衣裳を無給で直し、冷えたスープをすする毎日を送っていた。舞踏服は三番、亡き母の喪服は二十一番。そんな彼女が辺境伯アルベンの継承礼装を蘇らせると、彼は一番札をドリタの冬外套へ移し、正当な給金と私室、食卓の席を用意する。春支度披露の日、伯爵夫人たちは三度目の修繕と帰還を迫るが、仕立屋が三枚の控えを客前に並べて――。古い鍵を返すのか、新しい鍵を受け取るのか。十八人ぶん後回しにされた居候令嬢が、自分を一番にする家と、毎朝温かな食事を囲める居場所を選ぶお話。