あらすじ
人類が初めて宇宙人から受け取った言葉は、侵略宣言ではなかった。
《どうか、我々を助けていただけないでしょうか》
滅亡の危機にあるという彼らが求めたもの。
それは、地球の「水」だった。
必要量――海水総量の30%。
それだけの水を失えば、海面は大きく低下し、気候も生態系も変わる。
人類にも、甚大な犠牲が出る可能性がある。
それでも彼らは、決して脅さなかった。
《拒否していただいて構いません》
《我々の存続を理由として、あなた方が存続の危険を負うべきではありません》
そして、水を提供した場合の「感謝」として提示されたのは――
テレポート。
重力制御。
ほぼ燃料を必要としないエネルギー生成技術。
そして、太陽の中心部でさえ活動できる技術。
世界は一変した。
宇宙人を救うべきか。
地球を守るべきか。
それとも、人類の未来のために取引すべきか。
だが、誰もが一つの疑問を見落としていた。
太陽の中心へ行けるほどの文明が、
なぜ「水」を作れない?
これは、人類が初めて宇宙人と出会った物語ではない。
人類が初めて、
当たり前に存在していた「水」の正体を知る物語。
そして――
無限の力を手にした文明が、
その先で何を失うのかを知る物語。