あらすじ
この世界の死神は、俗世で想像されるような、魂を刈り取る存在ではない。
魂に寄り添い、最期の願いを聞き届け、成仏や転生へと導く――死者の案内人。
そして冥界の片隅、霊境には、一人の死神が営む小さな相談所がある。
――チリン。
星屑の鈴が鳴るたび、今日もまた、一人の魂が訪れる。
所長を務める死神の名は、十六夜。
彼は訪れた魂へ静かに手を差し伸べ、こう問いかける。
「さて――キミは、どんな結末がお望みかな?」
未練を残した魂。誰かに伝えたい想いを抱えた魂。自らの死を受け入れられない魂。
死者たちが抱える「最後の願い」に耳を傾け、彼らが望む結末へ導くこと。
それが、十六夜の使命だった。
そんな彼のもとへ、ある日、一人の少女がやってくる。
緋音(ひのん)。
生前から「魂の声を聞く力」を持っていた彼女は、死後、死神として冥界へ生まれ変わる。
そして十六夜と出会い、彼の相談所で助手として働くことになる。
人の心に寄り添うことしかできない少女と、死者の最後の願いを叶える死神。
これは、そんな二人が小さな相談所を訪れる魂たちと向き合い、その人生の「結末」に寄り添っていく物語。