あらすじ
『カドコミ漫画原作コンテスト応募作』
【あらすじ】
石炭の煤が空を覆い、『灰の病』が蔓延する国――神聖マリアベル。
世界でただ一人、あらゆる傷病と呪いを浄化できる聖女マリーローズは、七歳から十年の間、聖女を補佐するはずの七聖人に監禁されていた。
ある日、彼女は書に魂を封じられた〈貪食の悪魔〉を浄化する。
憎しみの記憶を浄化された魂はペガサスのぬいぐるみと一体化し、マリーは大書庫からの脱出に成功する。
やっと自由を手にした彼女を待ち受けていたのは、食べるためにお金が必要という現実だった。
古今東西あらゆる知識と尽きぬ力を持ちながら、社会経験ゼロの聖女は目先のパンのために苦闘する。
これから起きる世界の混乱など気にも留めず……。
【キャラクター設定】
〈マリーローズ/マリー〉
十七歳。世界に一人しか存在しない聖女。元孤児で、七歳から十年間、聖鈴教会の大書庫に監禁されていた。
世界中の書物を読み尽くしており、知識と浄化の力は絶大。しかし社会経験が皆無で、お金を払わなければ食べ物を買えないことすら知らない。
脱走後に出会った孤児たちを養うため、治癒を売って稼ぎ始める。硬貨を数えるのが何よりの楽しみだが、困っている人間を見捨てることはできない。
〈|神の寵愛《ディヴァイン・ディザイア》〉によってあらゆる傷病、呪い、衣服の汚れまで浄化できる。聖女になったことで人を傷つけられず、殴っても蹴っても「ぺちん」としか鳴らない。
〈ガデスフェロウ/ガディ〉
千年もの間猛威を振るい続けた〈貪食の悪魔〉。マリーに浄化されたことで、彼女が十年間愛用していたペガサスのぬいぐるみに魂を移す。
普段はぬいぐるみだが、マリーを乗せられる巨大なペガサスへ変身できる。口が悪く食い意地も張っている一方、世間知らずなマリーの相棒兼ツッコミ役を務める。
〈|尽きせぬ渇望《ダムド・クレイヴ》〉によって、武器や攻撃を食べて自分の力に変える。しかし、呪いによって敵の憎しみまで取り込んでしまい、暴走する危険を抱えている。呪いを鎮められるのは、マリーの浄化のキスだけ。
〈ソフィアダリア/ソフィ〉
十六歳。聖騎士団聖都支部の小隊長。純白のビキニアーマーをまとい、一対一なら騎士団長にも引けを取らない。
「腕力さえあれば大概どうにかなる」と信じる脳筋で、何かにつけて「ブッ殺す」と叫ぶ。聖女マリーは孤児院時代の姉貴分で、彼女を守るために聖騎士になった。
しかし、粗野な言動からマリーには敵視されている。
〈アセル〉
十二歳の孤児。灰の病に冒された妹ラナを養うため、盗みを働いていた。
マリーに救われてからは彼女を「親方」と呼び、孤児たちのまとめ役として商売、集金、情報収集を手伝っている。
〈七聖人〉
聖女を補佐する七人の最高位聖職者。表向きは聖女の力を世界へ届ける聖人だが、実際にはマリーを監禁して力を搾取し、国の支配権を巡って互いに争っている。
・勤勉のカリキュラは、欲望を満たすためならどんな手間も惜しまない活動的な詐欺師。
・節制のプアゾンは、人の価値を損益で判断し、価値がない者は容赦なく切り捨てる合理主義者。
・その他、純潔・寛容・忍耐・感謝・謙虚の美徳を冠する聖人も、曲解した行動原理を持っている。