あらすじ

本書は、約200年前にアルテイン大陸を旅した稀代の吟遊詩人カリム・ソレイユが遺した全50篇の詩歌から、特に旅人や語り手に愛されている**18篇を厳選した『旅立ちの抄録本』**です。 初代や第二代の「器(勇者)」にまつわる輝かしい建国伝説を伝える一方で、本書が真に活写しているのは、大陸各地の素朴な農村の暮らし、商人たちの賑やかな市場、そして地の底で魔導炉の火花を散らす人々の生々しい労働と社交の姿です。王都ヴェルダンの中環(商人街)の印刷工房『青銅の鐘舎』が良質な白紙と最新のインクを用いて刷り上げた本書は、懐や旅袋の底にすっぽりと収まり、一日に徒歩で六里を往く旅路の重荷になりません。 さらに本書は、各地で歪み崩れてしまった唄の歌詞を、神殿公認の「安全で正しい文字」としてインクで固定しています。これ一冊を懐に忍ばせておけば、街道の関所を預かるお役人や神官に対しても、自身が教えを尊ぶ平穏な旅人であることを静かに証明してくれる、長き旅路に欠かせない頼もしき「実用書」にして「お守り」です。 ※「勇者はうちの犬」の作中作です。

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カクヨム2026/09/07
  • 現在の作品カリム・ソレイユ詩選集 ──アルテイン大陸に伝わる光と風土の叙事詩