あらすじ
「お姉さま。セドリック様を私にちょうだい」
ドレスも宝石も、日当たりのいい部屋も。
妹ロザリーに欲しがられるたび、アデルは両親から「姉なのだから」と譲ることを求められてきた。
けれど、婚約者だけは譲れない。
辺境の結界を支える花・ラヴェリアを守り続けてきたアデルにとって、手紙を通じてその仕事を認めてくれた辺境伯セドリックは、かけがえのない人だった。
「私は、セドリック様と結婚したいです。この婚約は、誰にも譲りません」
初めて口にした拒絶を、彼は迷わず支持してくれた。
ところがそのとき、ラヴェリアのつながりが突然途切れる。
「あの花畑は、白薔薇に植え替えたの」
妹が奪ったのは、ただの花畑ではなかった。
崩れ始めた結界。迫りくる魔物。
アデルはセドリックとともに、大切な土地と花を救うために駆け出す。
もう、黙って奪わせはしない。
守り続けてきたものも、この人と生きる未来も。
家族に尽くしてきた花守令嬢が、自分の幸せを選び取る、恋と共闘の物語。
【全6話/毎日21時更新/9月12日完結予定】