あらすじ
十六歳で孤児院を出たカイは、その日、F級冒険者になった。
使えるのは、コップ一杯ほどの水しか生み出せない低級水魔法。
戦闘にはほとんど役に立たない。
初めての薬草採取を終えた帰り道、カイは偶然、銀貨を一枚拾う。
少しだけ気分が良くなったその直後、町の片隅で瀕死の水スライムを見つけた。
助けても何の得にもならない。
それでもカイは、
「……まあ、今日は銀貨も拾ったしな」
「水くらいなら、タダだ」
と、いつもの水魔法で水を与えた。
やがて元気を取り戻した水スライムは、なぜかカイの後をついてくるようになる。
不思議に思い、ギルドで鑑定してもらうと――
契約者:カイ
本来、水スライムとは契約できない。
低級水魔法しか持たないF級冒険者と、誰にも見向きもされない低級水スライム。
これは後にSS級冒険者となる少年と、一匹の水スライムが出会った日の物語。