あらすじ

名工ティグランの代わりに辺境伯邸へ送られた油職人アニチカは、十二の灯りを十五斤の油で朝まで保てと教えられてきた。「一人の部屋に回す油はない」。ところが無愛想な辺境伯ヴァハンは、毎夜油の目方を問い、温かな食事と個室まで与えてくる。失敗を待つ監視に違いない。十五斤の夜、十八斤の夜。アニチカは灯芯を削り、自室の火を消し、眠らずに働く。だが三度目の夜、十二灯の中央に置かれたのは、封も切られていない二十一斤の油壺だった。奪われた六斤と消された職人の名、冷淡な監視者の隠していた思惑が明らかになった時、彼女は初めて、自分の灯りを消さずに残る場所を選び直す。油の配分から始まる、すれ違い職人と不器用な辺境伯のお話。

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小説を読もう2026/09/07
  • 現在の作品十二灯に十五斤しか渡されなかった油職人は、二十一斤の油壺を置く辺境伯の隣に残ります