あらすじ
【あらすじ】
母の心臓を移植され、事故から奇跡的に生還した女子高生・早瀬凪咲。
目を覚ました彼女には、自分のものではない記憶が蘇り始めていた。
知らないはずの料理や仕草、両親しか知らない過去。そして、亡き母が父に抱いていたはずの愛情までもが、自分の中に流れ込んでくることに戸惑う凪咲。
それは母の記憶なのか。それとも、自分自身が母に上書きされているのか。
娘の異変を知った父・総一郎もまた、妻の過去を調べ始める。やがて浮かび上がる、真希が勤めていた製薬会社と、凪咲が心臓を移植することになったバス事故とのつながり。
母は何を知っていたのか。あの事故は、本当に事故だったのか。
母の記憶を手がかりに真実を追う凪咲。その先に待っていたのは、家族の秘密を超えた巨大な陰謀だった。
母に自分を奪われるのか。それとも、自分自身として真実に辿り着くのか――少女のアイデンティティを賭けた戦いが始まる。
【登場人物】
・早瀬凪咲(16):主人公。バス事故で重傷を負い、母の心臓を移植されて生還した女子高生。移植後、母の記憶・人格が徐々に流入し始める。
・早瀬総一郎(40代):凪咲の父。医師。娘を救うため、脳死した妻の心臓を無断で移植した。免職にこそならなかったものの医局内で干され、独自に事故の真相を追う。
・早瀬真希(故人):凪咲の母(旧姓は宮島)。製薬会社「万天製薬」の研究員で、生前は記憶を転移させる研究に関わっていた。バス事故で死亡し、心臓を娘に提供する形になった。
・宮島奈美:真希の実母。娘を亡くし、孫である凪咲と暮らす。
・神谷健司:総一郎の同僚医師であり友人。
・神谷優花:健司の娘。凪咲の数少ない理解者。
・権藤巧:真希のかつての後輩研究員。凪咲の存在に接触してくる、不穏な影を持つ人物。
・矢島育三:万天製薬会長。権藤の叔父。記憶移植技術に強い関心を持つ、物語の黒幕的存在。