あらすじ
目立たぬ毒見役と陰口を叩かれる顧明蘭(こ・めいらん)は、後宮の片隅で三年間、来る日も来る日も他人の食事に毒見の箸をつけてきた。しかしある日、彼女は自分の毒見皿に仕込まれた毒によって、なんの罪もないまま処刑台へと送られてしまう――はずだった。
気づけば、そこは九十日前の毒見部屋。しかも身体は死ぬ前とまったく同じ、地味な下働きの娘のまま。
「なるほど。やり直せというわけね」
死の間際の記憶と、三年かけて磨いた毒物の知識を引っさげて、彼女の心(メンタル)はむしろ静かに燃えていた。目立たず、疑われず、けれど確実に真犯人の尻尾を掴む。そんな不穏な決意を隠しながら、明蘭は今日も「おっとり気弱な毒見係」の仮面をかぶる。
ところが、冷徹で知られる太医・蕭珪(しょう・けい)だけが、その微笑みの下に潜む毒に気づいてしまい――?