あらすじ
俺が手に入れた能力は【クエスト付与】。
他人にクエストを与え、達成した相手のステータスを上昇させることができる。
ただし、自分には使えない。
他人を強くして何が楽しいんだ。
そう思って、ずっと使わずにいた。
――ある日、ネットで危険なチャレンジについての記事を見るまでは。
簡単な指示から始め、少しずつ要求をエスカレートさせていく。
それを読んだ俺は思った。
脅迫の代わりに、本物の「報酬」があったら?
クエストを達成するたびに可愛くなる。
頭が良くなる。
コンプレックスが一つずつ消えていく。
そんな報酬が本当にもらえるなら、人はどこまでクエストを続けるのだろう。
実験相手に選んだのは、隣の席の三浦琴音。
最初のクエストは、ただ友達に「おはよう」と言うだけ。
もちろん彼女はまだ知らない。
これから表示されるクエストが、少しずつ俺に関するものへ変わっていくことを。
そして俺に話しかけ、俺と帰り、俺に触れるたびに報酬を与えられ続けた彼女が――最後に俺のことをどう感じるようになるのかを。