あらすじ
母ナヌーリは、姉テクレが一日に十八反を仕上げる名職人だと客に売り込んでいた。けれど本当は、姉の仕事は五反。残る十三反を洗い張りしていたのは、次女マナナである。それでも「家族の仕事に名を欲しがるなんて強欲だ」と、母は彼女の刻み入り洗濯挟みを外してしまう。
十三個の挟みだけを手に家を出たマナナは、小さな干し場で自分名義の仕事を始める。そこへ若き公爵ギオルギから届いたのは、姉に五反、マナナに十三反という奇妙に正確な注文だった。
だが公開乾燥の日、十八反すべてを姉の成果に戻そうとする母の手で、板列が川風に傾き始める。泥へ落ちかけた布を救うため、マナナは誰の助けも待たず駆け出した。
消された十三反と、奪わなかった五反。仕事の名を取り戻した令嬢が、欠点も食い意地もまとめてただ一人に選ばれるお話。