あらすじ
勇者が魔王を討ち、百年以上続いた戦争は終わった。
――そして三十七日後。
「……で、この全長百五十メートルのドラゴンの死体、誰が片付けるんですか?」
王国復興院《戦後処理局》に勤めるレオン・ハーストの仕事は、勇者たちが世界を救った“その後”を片付けること。
勇者が倒した古竜は腐って川を汚染し、奪還された都市では帰還した人間と十五年間暮らしてきた魔族が同じ家の所有権を主張。戦争中に大量生産された聖剣は闇市場へ流れ、旧魔王領では新たな争いの火種が燻っている。
剣の腕は平凡。使える魔法も人並み。
それでもレオンには、立場も目的も違う者たちの利害を整理し、誰も見つけられなかった解決策を作り出す力があった。
そんな彼の相棒となったのは、元魔王軍の兵站担当ミア。
「勇者なら一撃で解決するんじゃない?」
「その一撃の後始末をしてるんですよ、俺は」
人間と魔族。
勝者と敗者。
英雄と、英雄にはなれなかった者たち。
戦争は終わっても、平和は勝手にはやって来ない。
これは魔王を倒す物語ではない。
魔王が倒された後の世界を、本当の意味で救っていく物語。