あらすじ
「未来の勇者は、君だ!」
世界最大の新人勇者発掘オーディション番組――『NEXT GENERATION』。
一万人を超える応募者の中から選ばれた勇者たちは、魔王城を目指す一年間の旅番組『PROJECT BRAVE ~魔王城までの365日~』への出演権を手にする。
勇者オーディションに挑戦していた少女・ヒナタには、勇者になりたい理由があった。
――魔王様が、推しだから。
勇者になれば、憧れの魔王様に会える。
そう信じてオーディションに挑んでいたヒナタだったが、最終選考を目前にして、家族の事情から辞退することになってしまう。
それでも、魔王城には行きたい。
そこでヒナタは、気づく。
「……待って。勇者より、スタッフのほうが魔王様を近くで見られるんじゃない?」
こうしてヒナタは、推しに会うため、番組スタッフになる。
『PROJECT BRAVE ~魔王城までの365日~』の出演者には、一つだけ絶対のルールがある。
魔王を倒してはいけない。
魔族との戦闘は、番組が用意した「公式戦闘回」のみ。戦闘では、相手を傷つけすぎることも禁止されている。勇者たちはスポンサーの商品を宣伝し、視聴者を楽しませながら魔王城を目指す。
勇者たちは六組。半分は前年から引き続き出演し、残り三組にはオーディションで選ばれた新人が加わる。
他の勇者たちを圧倒する実力を持つ正統派勇者パーティー「ソレイユ」。
戦闘中ですらスポンサー商品の宣伝を忘れない「ミューズ」。
地味だが隙のない「ミナガセの星」。
可愛い魔法少女を演じながら、カメラが止まれば素に戻る「魔法少女」。
仲良し獣人四人組の「ケモナー」。
新人勇者オーディションの参加者で結成された「英雄予備団」。
勇者たちは、それぞれの個性と能力を武器に、戦闘だけでなく、映るものすべてを番組のコンテンツに変えていく。
魔王様に会いたいという理由でスタッフとなったヒナタもまた、番組作りに関わり始める。
しかし、ヒナタたちは知らない。
魔王と勇者が戦い続けるのには、世界そのものに関わる理由があることを。
番組の撮影を続ける中で、ヒナタはやがてその真実を追うことになる。
「勇者」と「魔王」という宿命の対決が、いつの間にか一大エンターテインメントになった世界。
推しに会うためスタッフとなったヒナタと、個性豊かな勇者たちの、魔王城までの日々が始まる。
【設定】
世界を救うために必要なのは、勇者が魔王を倒すことではなく、勇者と魔王が、倒さずに戦い続けること。
勇者と魔王は、世界の魔力を調整するために存在する特別な役割である。
勇者か魔王のどちらかが倒れると、同じ役割を持つ者が新たに生まれる。しかし、その際には魔力のバランスが崩れ、災害が発生する。
だからといって、勇者と魔王がまったく戦わなければ、それもまた魔力のバランスを崩してしまう。
世界の魔力を安定させるためには、勇者と魔王が適度に戦い続けなければならない。
やがて、その戦いは娯楽として配信されるようになった。
現在の「PROJECT BRAVE」では、勇者たちが魔王領を旅しながら、公式戦闘や企業案件などの番組企画に参加している。
勇者たちは、勇者オーディション「NEXT GENERATION」で選ばれるが、魔族との戦闘を伴うため、未成年者の参加は禁止されている。
魔王は番組のベテラン出演者として勇者たちを見守っている。
しかし、華やかな番組の裏側には、世界の魔力を維持するという、勇者と魔王の重い役割がある。
本来、勇者と魔王は一対である。現在の真の勇者は、ソレイユのユウト。
勇者という重い使命を一人に背負わせないため、そして戦いを娯楽として楽しむために、現在は六組の勇者パーティーが存在している。
【この先の展開】
四シーズン制。
勇者六組は、二組ずつで行動する。
組み合わせは、シーズン1は番組の指定だが、次からはくじ引き。
シーズンの中間と最後で、戦闘ポイントと視聴者ポイントによる評価がある。
シーズンごとの最後は、「魔王軍四天王」との公式戦闘がある。
「魔王軍四天王」は番組のためのポジションなので、魔王たちが会議で決めている。もちろん最弱ポジションも作る。
最終シーズンの最後には、魔王との特別公式戦闘がある。
参加できるのは、ポイント上位三組のみ。
次の年には、特別公式戦闘に参加した三組と、勇者オーディション上位三組で、旅が始まる。
【登場人物】
ヒナタ(22)
魔王にあこがれて、魔王に会うために勇者を目指した、勇者オーディション参加者。
スタッフとして「PROJECT BRAVE」に参加する。
魔王の近くで仕事をするうちに、「なぜ勇者と魔王は、この番組を続けているのか?」という疑問を持つ。
やがて、魔王と勇者をめぐる世界の仕組みの真実に迫っていく。
魔王(800歳くらい?)
世界の維持のため「PROJECT BRAVE」に協力。
魔王らしい演出や撮れ高を気にしている。
勇者パーティー
◆ソレイユ
真の勇者を中心に、勇者オーディションで結成されたチーム。十年目。
王道担当。
ユウト:真の勇者。真面目で王道
カナタ:剣士。冷静
トウマ:軽戦士。熱血
レイ:魔法使い。淡々
ヒカリ:回復・補助。明るい
◆ミューズ
綺麗なお姉さん。多くのスポンサーを抱えるインフルエンサーチーム。七年目。
企業案件担当。
ランカ:剣士。ビジュアル担当
サリナ:剣士。気配り上手
ミサキ:攻撃魔法使い。クール。企業案件の撮れ高管理担当。
カレン:回復、防御魔法使い。面倒見がいい。
◆ミナガセの星
ミナガセ市出身の兄弟二組。派手さはないが失敗もしない。二年目。
地味担当(?)
タニタ カケル:剣士・リーダー。坊主兄。慎重
タニタ リュウ:盾。坊主弟。ひょうひょう
タヤマ カズト:攻撃魔法使い。兄。世話好き
タヤマ ハヤト:防御魔法使い。弟。ノリがいい
◆魔法少女
ミューズを参考に、応援したくなるアイドルコンセプトで成功した新人オーディション一位。
名前はコードネーム。衣装はヒマワリの母作成。成人女性。
アイドル担当。
アカリ:赤、最大火力、火魔法。元気な切込み隊長
アオイ:青、火力、水魔法。リーダー。慎重
ミドリ:緑、防御魔法。温厚
ヒマワリ:黄色、補助魔法。明るい
マシロ:白、回復魔法。白へのこだわり
◆ケモナー
仲良し獣人四人組。新人オーディション二位。
癒し担当。耳と尻尾など一部だけ獣化している。
レン:トラ。豪快で頼りになる
ソウ:オオカミ。細身で、俊敏。長毛で、尻尾の手入れに並々ならぬ情熱を傾ける
ナツ:クマ。大柄で温厚
ジョー:ヒョウ。身軽で、ひょうひょう
◆英雄予備団
新人オーディション内で結成した寄せ集め六人。新人オーディション三位。潜在能力は新人組の中で一番高いが、連携できない。
トラブル担当。
シュン:剣士。お調子者。ナオに好意。
タクヤ:剣士。シュンにライバル心。ナオに好意。
ダイスケ:盾。チームの要。
コウジ:攻撃魔法。戦略担当の頭脳派。だがシュンとタクヤが反目しててうまくいかない。
ミホ:攻撃魔法。冷静。無表情で魔法を撃つ
ナオ:回復。普通の女の子。人のお願いを断れない。ダイスケに好意
魔族
身体の一部に異形の特徴を持つ種族の総称。
人間と同じように街を作り、家族を築き、日々の生活を営んでいる。
長命な種族が多く、人間とは異なる文化や習慣を持つ。