あらすじ
「他人の技を眺めるだけの《解析》に、勇者の仲間が務まると思うな」
技能授与の日、勇者候補の訓練隊から追放されたレイン。前世は、対戦ゲームの動きを徹底的に検証する攻略配信者だった。
異世界に生まれ変わっても、敵を見る癖は変わらない。
余分な踏み込み。長すぎる溜め。攻撃の後に生まれる隙。
――この技、もっと強くできる。
外れとされた《解析》の真の能力は、現場で一度見た技を、欠点を取り除いた上位版として習得する《上位再現》。前世の分析力が加わったとき、レインは相手の切り札を先読みし、さらに強い技で返せるようになる。
自分の働きを横取りされないよう始めた、魔導水晶による個人配信。
そこへ最初に集まったのは、彼が負けるところを見に来た元訓練隊の視聴者たちだった。
「今の技は、溜めを削った方が強いですね」
秘剣を使った元仲間の剣が砕け、視界の端に『本家より速くないか?』という文字が流れる。すぐ後から『解説しながら勝つな』が追いかけてきた。
勇者の奥義は、もっと速く。
賢者の魔法は、もっと精密に。
見せた切り札は、次の瞬間には超えられる。
前世の攻略知識と反則級の能力で、敵の自慢も、理不尽な評価も、生配信の目の前でひっくり返す。
追放された転生者の、解説つき無双ファンタジー。