あらすじ
十二歳の佐倉小夜は、母の再婚をきっかけに、幼いころ暮らしていた町へ戻ってきた。
けれど、小夜には七歳より前の記憶がほとんどない。
ある雨の日、雨宿りで迷い込んだ古道具店〈クロノス〉。
そこで、七枚あるはずの花びらが一枚欠けた古いオルゴールに触れた瞬間、小夜は不思議な光景を見る。
泣いている少女。
そして――
「お願い……わたしを忘れないで」
小夜には、壊れた物に残された〈残響〉――過去の記憶を見る力があった。
無愛想な青年店主・カイン、距離感ゼロの同級生・陽斗とともに、古道具に残る記憶を追っていく小夜。
オルゴール、写真立て、赤いランドセル。別々の品に、なぜか同じ〈七枚の花びら〉の印が現れる。
その印は、かつてこの町にあった修理工房〈七花堂〉と、小夜自身の失われた幼少期へつながっていた。
壊れた物の記憶と、人の心をたどる少女の成長×日常ミステリー。
そして、七枚目の花びらに隠された秘密とは――。