あらすじ
エンチャント魔法師のアインは、三年間ずっと「効果不明」と言われ続けてきた。
彼の付与魔法は目にも見えないし、音も出ないし、測定器にもかからない。だからパーティの連中は、自分たちが強くなっていくのは自分の才能のおかげだと信じきっていて、アインのことは荷物番としてしか扱わなかった。アイン自身も、まさか自分がそんな力を持っているとは思っていなかった。
そんなある日、パーティのリーダーの嘘によって貴族への無礼の罪を着せられ、アインは何の弁明も許されないまま街を追放されてしまう。誰も庇ってくれなかった。行くあてもなく城門の外で立ち尽くしていた彼を拾ったのは、たまたま数日前にギルドですれ違った隣国の女だった。
その女、レイア・ヴォルドハルトは、隣国の高位貴族であり、S級冒険者でもあった。
「あなたの近くにいると、妙な感覚がする。あなたの力を、正しく測れる場所に連れていく」
連れていかれた先で、付与魔法専用の測定器にかけてみると、針が振り切れた。三台試して、三台とも壊れそうな数値を出した。検査官が声を震わせて言った。「これは……計測不能です」
一方その頃、アインを追い出したパーティは、なぜか日に日に弱くなっていって――。
三年間ずっと「いてもいなくても同じ」と思われていた男が、本来いるべき場所を見つけて、正しく報われていく物語。
※追放・ざまあ・純愛要素あり。