あらすじ
高校生の主人公・山下達郎は、現実の受験勉強や労働から目を背け、脳内の空想(砂漠の旅人や孤高の職人など)で「自分にはいくらでも道がある」と万能感に浸る日々を送っていた。しかし、周囲の友人たちが現実の進路や将来に向き合って泥臭く努力していく中、達郎だけは「選ぶこと」から逃げ続けた結果、卒業間近になって「どこへも行けない」という絶対的な行き止まり(無力な自分)に直面する。怠惰を正当化していた言い訳に気づいた彼は、痛みを伴う現実としてクシャクシャの求人票を握りしめ、自分の足で泥水を這いずるような確かな一歩を踏み出すために夕闇の中へ歩き出す。