あらすじ
東京の高級ホテル「黎明館」の若き総支配人・桐生は、冷徹な数字と効率だけを信奉する合理主義者。過去の痛ましいトラウマから「感情は破滅を招くノイズだ」と信じ、利益のために非情なリストラを断行していた。
そんな彼の前に立ちはだかるのは、時代遅れのホスピタリティを体現するコンシェルジュ・東郷。
利益を生まない過剰なサービスを糾弾する桐生だったが、ある日、外資系ファンドの冷酷な戦略によってホテル買収の危機に直面する。
己の信じた「最適解」が、最も大切なものを奪われる絶望の淵に立たされた桐生だが、東郷が遺した古い手帳をきっかけに、真のリーダーとして覚醒する。
数字の鎧を脱ぎ捨てた桐生は、ファンドの買収劇を阻止するため、捨て身の反逆に出る。武器は莫大な資本でも冷たいデータでもない、東郷から受け継いだたった一つの『無形のサービス(献身)』だった。
徹底した合理主義の果てに男が見つけた「終着地」とは——。
冷徹なロジックと熱い情念が交錯する、極上の企業サスペンス!