あらすじ
空の向こうには、逆さまの街がある。
二十四歳で人生を終えた日本人の男は、重力と機械技術によって空に浮かぶ巨大都市《ヴァルハイト》で、レイン・アークライトとして生まれ変わった。
列車が空を走り、場所によって上下さえ変わる世界。
都市の外には《骸獣》と呼ばれる巨大な生物が棲み、人類は未知の土地を探索しながら文明を築いている。
整備士の父のもとで育ったレインには、一つだけ変わった才能があった。
機械の異常、微かな振動、普通の人間には感じ取れない“何か”が、なぜか分かる。
それは決して、彼を最強にする力ではない。
それでも前世で何もかもを「いつか」と先延ばしにしてきたレインは決めていた。
今度の人生では、興味を持ったものから逃げない、と。
やがて一枚の古い探索写真との出会いをきっかけに、少年はまだ見ぬ世界へ憧れ始める。
空に浮かぶ海。
失われた遺跡。
巨大な骸獣。
そして、世界を支える機械と重力に隠された秘密。
これは、一度目の人生を何者にもなれないまま終えた男が、家族や仲間と出会い、恋をし、傷つき、それでも未知の世界へ手を伸ばしていく二度目の人生の物語。