あらすじ
三十歳で死んだ男は、剣と魔法の異世界で少年レオン・アルヴェインとして生まれ変わった。
前世の記憶はある。だが、それだけだった。
剣の才能は平凡。魔力は少なく、魔法の適性も最低クラス。特別な血筋も、神から授かった力もない。
四歳のとき、故郷を魔族に襲われ両親を失ったレオンは、その後奴隷として鉱山へ売られる。飢えと暴力の中で大切な仲間まで失い、嫌というほど思い知らされた。
――弱ければ、何も守れない。
だから鍛えた。
一度で覚えられないなら百回。
百回で足りないなら千回。
天才が千回で辿り着くなら、一万回でも十万回でも繰り返す。
しかし、この世界では生まれ持った才能によって、成長できる限界さえ決められていた。
やがてレオンの成長は完全に止まる。
それでも彼は、拳を振ることをやめなかった。
意味がなくても。
成長しなくても。
ただ、昨日の自分より強くなるために。
そして――世界の法則が、先に音を上げた。
《例外処理を開始》
発現した固有能力《超越》。
それは才能を与える力ではない。一瞬で最強になれる力でもない。
ただ、本来なら絶対に越えられないはずの「才能の限界」を、途方もない努力によって越えられる。
それだけの能力だった。
最強の師、天才たち、異種族、魔族、勇者、そして人の領域を超えた怪物たち。
強くなるたび、さらに強い者が現れる。
勝って、負けて、学んで、また挑む。
努力しても負けることはある。
努力が報われないことだってある。
それでも――努力しなければ、次も絶対に勝てない。
これは何の才能も持たなかった少年が、数え切れない敗北と努力を積み重ね、やがて世界最強へと至る物語。