あらすじ
リーゼ・エルフェルトには、三年間連れ添ってきた婚約者がいる。
真面目で誠実な侯爵家嫡男、ヴィルヘルム。大きな問題もなく、このまま彼と結婚するのだと思っていたリーゼだったが、ある日突然、婚約破棄を告げられてしまう。
理由は、リーゼがいつまで経っても「淑女らしくならない」から。
けれどリーゼは、礼儀作法を疎かにした覚えも、社交の場で失態を犯した覚えもなかった。
ヴィルヘルムが気に入らなかったのは、もっと些細なこと。リーゼが人前で、楽しそうに笑うことだった。
「私が笑っていることが、そんなに気に入りませんか?」
三年間ずっと彼の言葉を信じ、自分を変えようとしてきたリーゼは、突然突きつけられた婚約破棄を前に、初めてある疑問を抱くことになる。