あらすじ
十代の頃に書いた小説が見つかって、ひとしきりセルフ悶絶した。
あの時分だけの不器用な熱は、恥ずかしくもあり、羨ましくもある。
いまではもう絶対に書けない、とも思った。
悶えたあと、セルフパスティーシュをすることを試みた。
https://kakuyomu.jp/my/works/2912051606367307249
第二段として、物語のクライマックスを、ヒロイン視点の外伝として書き起こしてみた。
縹色の作品は青いままで、ただ青色の純度を増した。
続いて、原作のエッセンスを抜粋して、この外伝を何食わぬ顔で追加してみた。
つまり2章までは十代の筆、最終3章が加筆という、キメラ小説である。
思った通りだ。楽しい。あやしうほどに、ものぐるほし。
もちろん、すべてを書き直せば、原初層の縹色を紫紺に染め上げることはできる。
しかし、それをやっても、この小説は完成しない。
なぜなら、あの頃の思いを乗せて書いた筆こそ、ほんものだからだ。
時代の積層が目立てばこそ、キメラはなほうつくし。
他人のパスティーシュでこれをやったら、絶対に乗っ取りで怒られる。
でもこれなら誰にも怒られない。
若い自分を侵犯するのは禁忌だと?どのみち、今のわたしは十代からの積層である。
気付かない人には、練度の低い小説であり、気づいた人だけ闇の黒猫みたいにニヤリとできる。
よし、──この罪深く荒唐無稽な試みは、まだまだ続く。