あらすじ
「世界の常識? 悪いな、俺も転生してきたばかりで、この世界の『飯の食い方』すら知らないんだ。――だから、俺たちのやり方を一緒に勉強しようぜ」――国家間の戦争。
それに敗北した獣人たちは、人間たちに徹底的に虐げられ、尊厳を奪われる世界。
そんな重苦しい歴史も、異世界の常識も「何も知らない」通りすがりの転生者、リック(本名:小山田 蓮)。
彼は一般の冒険者より「やや強い」程度の、どこにでもいるただの旅人だ。
――ただし、転生特典として授かった、ステータスや状態を見抜く『魔眼』を除いては。
転生直後、見知らぬ街の境界を歩いていたリックは、街外れの寂れた路地裏で、人間にボロボロに傷つけられ、絶望の淵にいた獣人の少女・リズと出会う。
『魔眼』を凝らすと、彼女のステータスはガタガタで、魔力回路も酷く傷ついていた。
世界の常識を知らないリックには、彼女の能力値が高いか低いかどうかなんてわからない。
ただ、異世界に放り出された自分と同じように、行き場をなくして泣いている女の子を、見過ごせるわけがなかった。
チンピラ共を軽くあしらった後、リックはリズの手を引いてその場を連れ去る。
「いいか、これから教育だ。お前が自立できるその日まで、一緒に旅をしながら、お互いの足りないところを教え合おう」
こっちは前世の現代知識、丁寧な体調管理、効率的なレベリングなどなど。
向こうは異世界に関する常識、世界情勢など。
リックが「手探りの、俺流のケア」のつもりで行う破天荒で異世界の常識外の「教育」によって、世界に絶望していたリズは、リックの知らないうちに世界が無視できない最強の少女へと覚醒していく……!これは、ちょっと強いだけの無自覚なやや知識チート旅人が、虐げられた獣人の女の子たちと「異世界の常識」を一から学び、過酷な世界に通用する力や知識をつけながら世界を巡る救済ロードムービー。