あらすじ

『ホラーと語られた掌篇集』より ――――――――――――――― 砂の上に、新しいのが落ちてきた。 私は窪みから身を起こし、鋸のこの柄を握り直した。 指はもう、柄の形に固まっている。 開こうと思って開いた覚えが、思い出せる限りにおいて、ない。 新しいのは、若い女の形をしていた。裸で、四肢が四本とも揃っている。 どこも黒くない 白い。眩しいほど白い。 あれなら、と私は思った。 思考と呼べるものは、もうそれくらいしか残っていない。 あの右腕なら、しばらく。 【経に曰く——生きて人の肢えだを断ちし者、死して白砂はくさの獄に堕つ。獄に獄卒なく、王なく、火もなし。ただ錆びたる鋸のみ、砂の上に数を知らずして在り。】(4,997文字) ―――――――――――――――

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カクヨム
カクヨム2026/08/18
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