あらすじ
何の変哲もない日々を送っていた中学三年生の高羽夏は、ある日、帰宅途中に奇妙な赤いトランシーバーを拾う。
そのトランシーバーには、「もう片方を渡した相手の本音を聞き出すことができる。ただし、その会話の記憶は相手に残らない」と書かれていた。半信半疑ながら試してみると、もう一方の持ち主は、同じクラスの人気者・西野七瀬だった。
普段ほとんど人と話さない夏は、トランシーバーを使って七瀬の好きなものや、仲良くなる方法を聞き出していく。やがて二人は親しくなり、七瀬からB'zのライブに誘われるまでになる。
しかし、ライブの前日にトランシーバーの電池が切れてしまう。
相手の本音を知ることができなくなった夏は、七瀬と二人きりで過ごすことに不安を抱えながら、約束の日を迎える。
そこで夏が気づいたのは、「相手の本音を知ること」よりも大切なことだった。
もう、トランシーバーはいらない。
自分の言葉で、彼女に想いを伝えるために――。