あらすじ
幽霊が見えることを除けば、佐々木優香はどこにでもいる高校二年生だ。
十年前に亡くなった愛猫・タマの霊と共に、変わらない毎日を送っていた。
そんなある日、五人の霊を連れた軽薄そうな男・久世朔から、突然呼び止められる。
「君、このままだと死んじゃうよ」
危険人物だと思い、全力で逃げた優香。しかし久世から渡された御札を持つようになってから、タマは日に日に弱っていき、ついには姿を消してしまう。
久世が何かしたのではないか。
そう考えた優香は彼を捜し出し、タマの行方を追い始める。その先で知ったのは、自分に眠る規格外の霊気と、タマが十年間隠し続けてきた戦いだった。
タマは優香を狙う悪霊や妖怪を喰らい、たった一匹で彼女を守り続けていた。しかし、取り込んだ膨大な邪気は、既にタマの魂を呑み込もうとしている。
唯一の家族を救うため、優香はこれまで知らなかった陰陽師と怪異の世界へ足を踏み入れる。
これは、ひとりで守ろうとした猫と、その猫を守れる存在になろうとする少女の陰陽物語。