あらすじ
「一人、二人、十三人。椅子は十二脚。なるほど。本日のご馳走には、嘘が一つ添えてあります」
収穫祝いの卓には、焼いた鴨、林檎の詰め物、豆の煮込み。料理は十三人分。配膳表にも十三人。なのに椅子だけが十二脚だった。
私は厨房へ戻り、残っていた一皿へ鴨と豆を盛った。残りではない。最初から彼の分として仕入れ、煮て、焼き、代金をいただいた一人分だ。
私は自分の夕食を調理台の端へ置き、配膳へ戻った。戻ってきたころには私の煮込みは冷え、彼の皿はきれいに空いていた。老使用人は皿の脇へ匙をまっすぐそろえ、頭を下げた。