あらすじ

皮は飴色、腹には香草、切れば肉汁が流れる。奥様が厨房へ三度も足を運び、旦那様の古傷に障らぬよう香辛料まで減らした、結婚後初めての夕食である。 そこは奥様の席だ。磨いた皿、左側へ寄せた杯、まだ折り目の硬い真新しい卓布。用意だけは完璧で、座る人だけがいない。 結婚三日目の夫が妻へ運ばせる言葉としては、かなり良い切れ味である。鶏を切る大包丁にも見習わせたい。 私は盆を持ち直した。その拍子に、皿へ添えてあった小さな献立札が滑った。

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小説を読もう2026/08/18
  • 現在の作品白い結婚の食卓で三度夕食を断られた新妻の献立札は、侯爵が待ち続けた恋文でした