あらすじ
大学時代、紗季には二年間付き合った悠真という彼氏がいた。
悠真は、誰にでも優しい人だった。
雨の日には傘を差し出し、重い荷物を持ち、困っている人を見れば自然に手を貸す。紗季はそんな彼に惹かれたはずだった。
けれど付き合っていくうちに、紗季の中にはひとつの小さな不安が生まれていく。
――私は、悠真にとって本当に特別なんだろうか。
その答えを見つけられないまま、二人は二十歳の頃にすれ違い、別れを選んだ。
そして、十年後。
友人の結婚式で、紗季は久しぶりに悠真と再会する。
相変わらず誰にでも優しくて、相変わらず誰にでも同じ距離感で笑いかける悠真。
「十年経っても変わらないんだ」
そう呆れながらも、どこか懐かしさを覚える紗季だったが――そんな彼が、たったひとつだけ、十年間ずっと変えていなかったものがあることを知る。
それが何なのか。なぜ変えなかったのか。
不器用なまま大人になった二人が、十年越しに「あの日、言えなかったこと」と向き合う、じれったくて優しい再会ラブストーリー。