あらすじ
元歌舞伎役者の芸能マネージャーが、売れない女優志望の五人を担当している。
俺の仕事は演技を教えることじゃない。誰がどこに立つか。いつ動いて、いつ止まるか。どこへ視線が流れるか。何を見せて、何を引くか。舞台で身についたのは、それだけだ。
最初の担当は、三枝莉央。エキストラ専門。現場での呼び名は「窓際のお二人」。
次が、綺麗に作り込むほど印象に残らなくなる朝倉ひなた。
見せ方さえ探せば、この子たちは売れる。
そう思っていた。その見立ては、毎回どこかで外れる。
人数で発注されていた役者が、名前で呼ばれるようになるまでの話。