あらすじ

三十一歳の美沙は、昔から何をしても少しだけ「ちゃんとできない」。 忘れ物をしたり、興味を持ったものに夢中になりすぎたり、思いついたことへすぐ飛びついたり。そのたびに家族や職場の人を少しだけ困らせ、三年間同棲している健吾からも「悪い癖だよ」と何度も言われてきた。 自分でも、直したほうがいいと思っていた。 けれどある夜、ただ夢中で安土城のプラモデルを作っていただけなのに、いつものように「悪い癖」を指摘された美沙は、初めて納得できなくなる。 喧嘩の末、ふらりと家を飛び出した美沙に声をかけてきたのは、妙な服を着た、どう見ても遊び慣れていそうな男だった。 そのままホテルまでついて行き、一夜限りの浮気で終わる――はずだった。 ところが男は、美沙の身体よりも、美沙自身に妙なくらい興味を示してくる。 話が飛べば面白がり、突然何かに夢中になれば一緒になって覗き込み、美沙が「私の悪いところ」と話すたび、なぜそれが悪いのかと不思議そうに首を傾げる。 ずっと直さなければいけないと思っていた自分を、初めて「面白い」と思ってくれる人。 そんな男と何度も会ううち、美沙は少しずつ分からなくなっていく。 ちゃんとした私にならなければ、愛されないと思っていた。 でも――本当にそうなのだろうか。 これは、誰かに好かれるために自分を直そうとしてきた女が、自分のままで愛されることを知るまでの恋の話。

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小説を読もう2026/08/18
  • 現在の作品私のままで―ちゃんとできない私と変わった遊び人―