あらすじ
明治から大正へ移り変わる時代。
橙田【とうだ】家の令嬢として育った橙田彩葉【とうだあやは】は、家の娘として相応しい女性になることを求められてきた。
しかし、彩葉には、自分の感じたことや考えたことを文章として残すという夢があった。
父から書くことも、学ぶことも奪われそうになる彩葉。
そんな彩葉の文章に初めて真剣に向き合ったのは、屋敷で働く女中の幸【さち】だった。
〈登場人物〉
橙田 彩葉【とうだあやは】
橙田家の一人娘。
自分の考えや感情を文章にすることを何よりも大切にしている。
父から娘としての務めを求められ、自分の価値に迷う。
幸が自分の言葉を大切に読んでくれたことで、少しずつ自分自身を取り戻していく。
花畑 幸【はなはたさち】
橙田家に仕える女中。
控えめで真面目な性格だが、自分よりも相手を優先することを当たり前として生きてきた。
彩葉の原稿を読むために文字を学び始め、一文字ずつ向き合う姿勢で、彩葉の心の奥にある想いを受け取っていく。
紙谷璃子【かみやりこ】
若い書き手を支援する活動をしている女性。
まだ世に出ていない文章にも価値があると信じ、彩葉に新しい可能性を示す。