あらすじ
高校最後の文化祭を翌日に控えた夜。
実行委員の朝比奈湊は、誰かに呼ばれ、頼られるにぎやかな校舎を名残惜しく思っていた。
放送室へ修正版の台本を届けると、そこにいたのは、無口で声のいい二年生・霧島理玖。二人きりになった室内で、突然、聞いたことのない発車メロディが流れだす。
『まもなく、三番線ホームに列車がまいります』
学校にホームなど存在しない。
それなのに、廊下に貼られた黄色い養生テープはホームの線に見え、友人たちの声が湊を呼び始める。
誘われるまま歩きだした湊を、理玖が強く引き戻した。
「呼ばれても行かないでください。俺が呼んだ時だけ、振り向いて」
怪異を知っているらしい後輩の声と手だけを頼りに、湊は夜の校舎から帰ろうとする。
けれど怪異は、彼の胸にある「この時間が終わってほしくない」という願いを、決して見逃してはくれなかった――。
文化祭前夜の一夜を描く、先輩後輩の青春ホラーBL。