あらすじ

土曜の朝、起きてこなくなった父親。テレビで見たタイガーマスクのスープレックス。山奥の病院から届くようになったのは、「今日は少し涼しいです。健も風邪をひかないように。病院の桜はまだ咲いていません」という、毎月寸分違わず同じ文面の手紙だった。 成長し、昼は鉄工所でバリ取りをし、夜は定時制高校へ通う健。母の再婚相手のクラウンが半分を占めるガレージで、残された半分の隙間に吊るしたサンドバッグを叩き、河川敷で土手を蹴り続ける。 手渡されたプロレスの入門テスト願書。埋められない志望動機。勉強机の引き出しの中で重なる二種類の封筒と、工場の臭い風のなかで食べるかぼちゃパイ。 言葉にならない感情を身体の反復へと変換し続ける少年の、硬質で不器用な日々の記録。

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カクヨム
カクヨム2026/08/18
  • 現在の作品決め技はタイガー・スープレックス・ホールド!