あらすじ

日が沈む頃、店を開ける。 日が昇る前に、店を閉める。 ある王国の町の片隅に、夜だけ営業する一軒の酒場がある。 店主は吸血鬼。 だから朝は寝ているし、昼も寝ている。 彼女にとって夜に働くことは、別に特別なことじゃない。 日が沈めば看板を出し、灯りをつけ、酒を並べる。 そうしているうちに、今夜も誰かが扉を開ける。 仕事帰りの警備兵。 旅の途中の冒険者。 夜勤明けの職人。 酔いつぶれたい男。 誰かに話を聞いてほしい女。 素性を明かさない旅人。 そして、何十年も通い続ける常連客。 客は歳を取り、町も少しずつ姿を変える。 それでも店主は変わらない。 昔、若者だった常連が老人になっても。 その老人の息子が同じ席に座るようになっても。 店主は酒を注いて、話を聞く。 ときには喧嘩を止め、 ときには相談に乗り、 ときには何も聞かずに一杯だけ出す。 世界を救うような話は、たぶん滅多にない。 ここにあるのは、夜の酒場を訪れる人々の、ほんの一晩の話。 日没開店、日の出閉店。 今夜も、営業中。

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小説を読もう2026/08/18
  • 現在の作品日没開店、日の出閉め。